東京地方裁判所 昭和44年(ワ)6387号 判決
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〔判決理由〕(三) 証人<略>、原告本人尋問の結果によれば、原告は住居地で古書籍商を営み、事故当時一ケ月平均純利益は五―六万円あり、このうち妻の和子の店番程度の労働があつたので同女の寄与する分を控除しても、原告本人の収益は、原告の主張する一ケ月四八、〇〇〇円程度あつたものと推認でき、原告は事故当初、境病院から入院を勧められたが店の仕事の関係で通院にしてもらつたこと、境病院に約一〇日通院し、五月九日まで武蔵野赤十字病院に一五回通院し、この間家で寝ていて仕事ができなかつたことが認められ、二ケ月の稼働できなかつた損害は九六、〇〇〇円となる。<証拠判断省略>
(四) <証拠>によれば、原告の足関節打撲捻挫の傷害は五月九日治療したが後遺症として軽度の跛行を残し、原付自動二輪車に乗ることができなくなつたが、軽四輪自動車により市場に通えるようになつたこと、事故三ケ月後頃から、めまい頭痛がするので武蔵野赤十字病院に通院し、頭部外傷後遺症として、脳波検査による機能障害、末梢性前庭障が残り、前認定のとおり通院をなしたが、完治するに至らず、このため記憶力、計算力の減退し、間違することが多く、客の注文を間違つたりすることがあり、商売上の知識を得るため新聞等の書評を読む必要があるが、事故後涙が出たり、眼の奥に星状のものができてよくみえなくなつたので、これを読むことができなくなり、また本の価値価額をいくらにするといつた感覚が落ちたり、天候の変りめに頭痛、耳鳴りが残つていること、これらの症状は治療の方法がないことが認められる。この事実によれば、原告の稼働能力は事故前より約一五%は減退したものと認められる。従つて、昭和四一年五月一〇日以後訴提起の時点である昭和四三年六月八日まで二五ケ月間の損害は一八万円となる。
(五) <証拠>によれば訴提起時四一才六月であることが認められ、同年の就労可能年数は統計上二一年余となつているので、二一年間につき月収四八、〇〇〇円の一五%の稼働能力の減少があるものと推認でき、ホフマン複式年別方式により中間利息を控除すれば、一二一万円(一万円未満切捨)となる。(荒井真治)